
チーム・ロシア
4年ぶりのコンビ結成となった大井&川端“Happy-golLucky boys”の初戦の相手はロシア。同国NO.1のコンスタンティン・ステファノフと、初の大舞台となる10代プレイヤー、ヴィタリー・パブルーキンのコンビだ。やはり、4人の中では圧倒的に経験値で劣るヴィタリーがどんなプレーを見せるかが勝敗の鍵。そして、事実その通りの結果となる。
川端が飛ばした8番が隠れ、日本が先制して試合はスタート。第4ラックではヴィタリーが7番入れラッチで日本4-0リード。ヴィタリー、やはりTVテーブルの新羅紗に合わせられない感じ。しかし、順調に見えた日本チームも内情はそうでもなかったようだ。試合後、川端は「第1ラックの8番ミスでパニクった」と語っているように、日本のリズムも少しずつずれていたのだ。
第5ラック、セーフティからオープンになったロング7番を大井が巧く決めるも、川端が8番ミス。これを取られて4-1。ロシアのマスワリで4-2となり、第7ラックはノーインからウラマスで5-2。しかし、ノーインからの2-9コンビ、マスワリで5-4と迫られる。ここまで2度のステファノフブレイクが綺麗に当たっている。次のラックも取りきられかけたのだが、ヴィタリーが5番イージーミスで日本6-4。
残り2点となり、一気に突き放したい日本だったが、大井が取り出しの難球をとばして6-5。続く第12ラックでは、4番から5番への出しが薄くなり、5番に近い6番に出すのに弱く撞いた大井の5番が入らない。これを取り切られて6-6。この5番、そして次のラックの5番、共に普段の大井ならとばすわけがない球。だが、「調子の上がらない自分のために、楽なところに出そうするからミスになった」と川端は語る。
この試合の山場は2先となった第13ラックだった。ヴィタリーのイリーガルブレイクから、難しい取り出しが入らない。しかし球越しをステファノフがミスして、川端がセーフティ。ヴィタリー、これを当てたがスクラッチ。これなど、やはりコンディションに合わせられていないという球だった。取り切りにかかる日本。しかし大井が再び5番ミス。9番で少しコースがせばまっていたとはいえ、イージーに残してしまった。このミスは致命傷になってもおかしくなかった。だが、逆フリにした7番でドラマが起きる。強く弾いて2クッションで出そうとしたヴィタリーがまさかのキューミス!「あの球は1クッションで十分だった。だけど、ヴィタリーはよりリスクの高い方を選択してしまった。ヴィタリーはミスもしたが、素晴らしいショットを何度も成功させている。まだ若い彼は、この試合で多くのことを学んだと思う」と、試合後のステファノフ。チーム戦のプレッシャー、そして35秒ルールが生み出したドラマ。レバタラは禁物だが、ロシアがヴィタリーではなく、例年通り2のルスラン・チナコフを出してきていれば、結果は逆になっていたかもしれない。日本、ここを取り切って7-6。最終ラックは難球の2番をヴィタリーが入れるも隠れ、ステファノフがファール。日本、7年連続となるベスト32突破に成功だ。
今晩、日本は若手台湾チームと対戦する。台湾とはこれまで06年(楊清順&王泓翔)、10年(張榮麟&柯乗逸)の2度戦って連敗中と相性が悪い。許漢恩&陳信廷は10代コンビとはいえ、張榮麟&柯乗逸、傅哲偉&柯乗中も出た台湾予選を勝ち上がって来たコンビだから侮れない。冷静に考えれば、実力&実績で間違いなく日本が上のはずなのだが、チーム戦特有のプレッシャーが襲いかかるこの大会だけは何が起きるか予想がつかないのだ。逆に、World Cup of Poolでベスト8以上に進んだことがある日本チームは“Happy-golLucky boys”だけ(07年ベスト4、08年ベスト8)なのは心強いデータだ。メンバーは違うとはいえ、6月の国別対抗世界チーム戦決勝で日本は台湾に敗れている。ここは是非リベンジしてほしいところだ。
試合開始まであと数時間。果たして今日は、どんなドラマが待ち受けているのだろうか。
※ 9ボール8先勝者ブレイク、9ボールフット、スリーポイントルール、35秒ルール
4日目結果
3日目写真
3日目結果
【YouTube】World Cup of Pool'12:日本チームの入場(ロシア戦)
2日目写真
2日目結果
【YouTube】World Cup of Pool'12:エフレン&ジャンゴの入場
初日写真
初日結果

★組み合わせ&スケジュール
★出場チームメンバー



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