2006年02月14日

“サムライ”竹中寛インタビュー!

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このインタビューは1月20日、兵庫でおこないました。つまり、関西9ボールオープンの前、IPTの2006年スケジュールが出る前です。

……昨年前半は韓国に3回も同行したのに、後半はあまり竹中さんの試合を見れませんでした。

竹中:MEZZ CROWD9 CUPの時くらい?会うだけなら全日本選手権もありましたが。

……そうか、昨年は全日本選手権でもお会いしましたね。私が走り回ってたのであの時はあまり話せませんでした。

竹中:取材してるんだからしょうがないですよ。全日本選手権は土曜日に見に行きましたが、それにしても選手権の奥村さんは凄かったですね。勝者3回戦の奥村 vs 高橋を見ましたが、本当にやばかった。決勝日は行けなかったんですが、みんなが口を揃えて「あんなの見たことない」って言ってました。当然、入れも凄かったんだろうけど、あの対戦相手と4試合戦い抜いた体力、集中力が素晴らしい。

……先日のダービーシティクラシック(DCC)はお疲れ様でした。

竹中:DCCは調子自体はそう良くなかったんですが、上手く行きましたね。(9ボールの)ジェイソン・ミラーとの試合は6−1から捲ることが出来ましたし。前回7−0で勝ってるんですよ。だから彼のイメージが悪かったんでしょうね。スーケーもそうだと思うんですよ。これまで3連勝ですから。アーチャーとは2勝1敗。とにかく彼は遅い。そして几帳面。そんなところにゴミあるか?(笑)

……今年でDCCは何年連続ですか?

竹中:3年連続ですね。トータルの成績も徐々に上がってます(笑) 

……3人(竹中、高見、坂井)とも3トーナメントすべてに出場ですか?

竹中:そうです。本当は永田さんも一緒に行く予定だったんですが、直前にどうしても外せない用事が入って、チケットをキャンセルしたんです。僕の成績は9ボールが一番良くて(5位タイ)、 バンクが5ラウンド。ワンポケットが7ラウンドで終了。ワンポケットであそこまで残ったのは、自分でもまあまあ頑張ってると思うんですけどね。(ワンポケットを3連覇した)エフレンは別格です。技術力ではなしに、ゲームの組み立てがまるっきり違うんです。我々が考えてるのと全然違うショットをする。いつの間にかこっちは何も出来ない状態にさせられてしまうんです。やられたら、「ああそういう手もあったのか」と思うけど、やられるまではそのイメージも出来ない。

……9ボールは本当に惜しいところまで行きましたね。

竹中:スーケーに勝った時点で9連勝。ちょっと色気が出たんですけどね。次の相手に勝っておかなければいけなかったのに、6−4にするところでやっちゃって、結局5−7。負かしたスーケーが優勝ですから、ちょっと残念でした。あと、ジャネット・リーとの試合はだいぶちびりました。「負けたらどないしよう……」って。7先勝者ですからね。結局7−1だったんですけど、言ってみれば向こうの英雄と東洋の悪役なわけじゃないですか(笑) 僕が最初に1セット取った時に誰も拍手しなかったんですよ。で、2−0から2−1になった時、ジャネットに凄い拍手だったんです。それで次に僕が取って3−1にした時、ジャネットが観客に向かって「どちらにも拍手してよ」って言ったんです。そしたら僕の時にも(ジャネットの時ほどではないけど)拍手が来るようになった。これはさすがだな、と思いましたね。

……竹中さんの知名度はアメリカでもそこそこあるんじゃないですか?

竹中:全然ですよ(笑) そりゃみんななんとなくはわかってくれてるんでしょうけど、ジャネットと比べたら、もう蟻みたいなもんです(笑) でもDCCは面白いですね。坂井さんがエフレンと話した時、「DCCはワンポケットがあるから楽しい。これは賞金とは関係ないよ」って言ってたそうですし。人が多くて会場が広いせいか、全体にゆっくりしてますしね。毎年、試合と別にやってるギャンブルを見るのが面白いんですが、今年は3つともそこそこ上まで残ったので、そういう時間が取れなかったのは残念でしたね。

……マスターオブテーブルになったジェイソン・ミラー、今年の彼はどうだったんですか?

竹中:彼は前からあんなもんですよ、実力はありますから。9ボールなら、まあ互角に戦えるけど、バンクとかは僕では相手にならないですね。バンクが上手いのはもちろんなんですけど、難しいショットをバシバシ決めるわけじゃなくて、比較的簡単に思えるバンクの精度がまるっきり違うんです。バンクなんて穴前にあるわけじゃないから、僕らだったらちょっと長い短いって外すところをまず外さない。それと、ワンポケットと同じで組み立てが本当に上手いんです。

……IPT予選は出れなかったんですよね?

竹中:IPT予選の日程が決まるのが遅くて……。帰国便をずらそうとしたんですけど、もう一杯でどうにもなりませんでした。さすがに来週は行けないので、2月に二週連続してある予選(予選C:17〜19日、D:24〜26日) に出ようと考えていますが、まだはっきりとは決まっていません。
※ 両予選へのチャレンジが決まっています。

……DCCとIPT予選は同じ会場だったんですか?

竹中:そうですね。最終日はDCCは9ボールだけでラウンドも進んでましたから、テーブルも沢山は必要なかったですし。テーブルはダイヤモンドなんですけど、ポケットは甘くはなかったですね。ボール2個ないくらい。両方残ってたパグラヤンは忙しそうに行ったり来たりしてました。

……竹中さん以外の方は今後のIPT予選には?

竹中:永田、高見……、それに向井、鈴木が出ると思うんですけどね。枠が二つしかないじゃないですか。まとまって行ってもみんなライヴァルになってしまうわけで……。それがきついですね。

……ちなみに2月の予選に出るとしたら、国内の試合が重なりませんか?

竹中:そうですね、24〜26日は重なりますね。もう仕方ない、重なったところは諦めるしかないです。先日も吹田で8ボールの勉強会やったんですよ。ちょっとやっておかなきゃなって。国内のツアーも9ボールと8ボールを半々にするらしいです。個人的にはワンポケットもバンクも入れたいんですけど、ツアーの数には限りがありますし。

……東京オープン、TOKYO9ボールを含めて昨年は国内で5勝。更にソウルオープン優勝に、コリア・プロツアーチャンピオンシップ準優勝。特に後半は大活躍でした。

竹中:そうですね、後半戦は感じ良くは撞けてましたね。7月の海外連戦(世界選手権、コリア・インターナショナルチャンピオンシップ)の時は歯痛のせいもあってボロボロでしたから、それに比べればね。TOKYO9ボールは気合いが入りました。勝った時は(海外初優勝だった)ソウルオープンより嬉しかったですよ。ベスト4は僕以外3人フィリピンでしたから、これは負けられないぞと。まあ、交互ブレイクというフォーマットも僕には良かったんじゃないかと思います。

……以前のインタビューでも伺いましたが、やはりブレイクは弱点ですか?

竹中:ダメですね……。そんなの言ってても仕方がないんですけど、台の高さが違うと余計ダメになります。アメリカの台は全体的に高いじゃないですか。まあ、ほんの2センチくらいの違いなんですけどね。パグラヤンなんか見てるとあんなに小さいのに合わせてくるし、当たってる。やっぱり凄い(笑) いい加減、直していかないといけないですね。

……コリア・プロツアーチャンピオンシップは惜しかったですね。

竹中:決勝はもう仕方がないですね。前半で僕がやらかしてましたし、後半は僕にエースが連続してヒルヒルに追いつけただけですから。あの時は高見が勿体なかったですね。ヴァレとイモネンを倒して決勝シングルに上がって、その一発目でイモネンにやられましたから。あの時のヴァレは全然でしたよ。「これでアジアツアー勝ったんか」っていうくらい明後日でした。それくらい入れてなかった。

……竹中さんは、最近の国内ではもっとも海外経験豊富なプレイヤーの一人ですよね。

竹中:いや、そうでもないでしょう。川端さん、高橋さんの方が全然多いんじゃないですか。僕はアジア9ボールツアーとかは出れませんし。昨年は韓国の試合がありましたけど、やはり彼らと比べると、同じ海外試合でも、戦ってきたメンバーが違うと感じます。

……今年の予定はどんな感じになるんでしょう。

竹中:とりあえず、2月のIPT予選二つは行きたいと思っています。国内はもう3年連続してランキングトップを取れましたから、今年は海外中心で戦ってみたいですね。やはり、これまでの海外戦がとてもいい経験になってると思うんです。まだ、どうなるかわからないですけど、今年は血まみれになっても海外に出れるだけ出たいなと思ってるんですよ(笑) 

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竹中寛(写真は2005JBC韓国対抗戦)



posted by mathilda at 01:59| 新潟 ☁| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする