以下、マッチルームスポーツよりメールでの情報です。来年で17回目を迎える伝統の招待試合、“ワールドプールマスターズ”が来年は大きく変わります。2010年の開催地は3年連続となるラスベガスで、開催期間は5月12〜17日の6日間。
まず、これまで16名シングルイリミでおこなわれていた大会が64名に大幅増員。招待枠が32名になり、招待選手はエントリーフィー500ドルで参戦することになります。続いて予選通過枠が32名。これは、100ユーロのエントリーフィーで誰でも参戦出来るというもの。予選の数、開催時期等は未定です。
フォーマットですが、まず大会初日と2日目に64名をダブルイリミで32名に絞ります。3日目は32名でシングル戦。4〜6日目は、これまで同様、ベスト16シングル戦を全戦TVマッチでおこなうというものです。
つまり我々日本勢にとっても、マスターズ出場の可能性が大きくなったというわけです。仮に日本予選開催ということになれば、チャンスは更に広がりますね。複数の日本人がTVマッチまで勝ち進むことだって十分あり得るわけです。「みんな、ラスベガスで撞きたいか!」(古い)ですね(^o^)
さて、この情報なんですが、色々と意味深でもあります。伏線となっているのが、やはりというか、相変わらず先の見えないフィリピン内部の分裂状態。マッチルームスポーツは9ボール世界選手権のプロモーターでもありますが、昨年はフィリピンのゴタゴタのあおりを受け、同選手権の開催中止に追い込まれてしまいました。今年09年度の開催目処もまったくたっていません。更に、仮に開催できたとしても現状ではフィリピン主力はもちろん参戦不可能。これではコンテンツ的に魅力に欠けるのは明らかです。
しかし、先日マッチルームスポーツは9月にマニラでおこなわれるWorld Cup of Pool'09にエフレン・レイズ&フランシスコ・ブスタマンテが参戦することを発表しました。現状のWPA関連の試合にはエフレン・レイズ以下のフィリピンオールスターズは皆参戦出来ません。ですが、WPAの関与しない招待試合なら構わない、というのがマッチルームスポーツの主張でしょう。余談ですが、この論理から言えば、2010年一杯試合に出れないことになっている呉珈慶が、World Cup of Poolにシンガポール代表として出場する可能性もあると考えられますよね?あくまで私の推測ですが……。
そして今回のマスターズの改変アナウンス。マッチルームスポーツからのメールにははっきりと、招待候補としてエフレン・レイズ、アレックス・パグラヤンの名前があります。これらのことを総合すると、以下のようなマッチルームスポーツの主張が見えて来るのではないでしょうか。
1)WPA-APBUといった組織のゴタゴタにはもう巻き込まれたくない。
2)世界選手権という肩書きにこだわらず、視聴率の取れる話題性のあるコンテンツを作っていきたい。
つまりマッチルームスポーツは、9ボール世界選手権の代わりになる真の世界一決定戦として、グレードアップしたワールドプールマスターズを位置づけようとしている、と考えられるのです。
これまで約10年間、WPAとマッチルームスポーツは9ボール世界選手権というコンテンツを介して友好的な関係を保持してきました。しかし、昨年の9ボール世界選手権開催中止が両者の関係を冷えさせてしまったようです。マッチルームスポーツ側からすれば、昨年のWPA&ラヤスポーツによる10ボール世界選手権開催自体、ほとんど裏切り行為のようなものだったでしょうしね……。
さて、マッチルームスポーツの真意や如何に?そして、こうしたマッチルームスポーツの動きに対して、WPA-APBUはどういった対応に出るのでしょうか?World Cup of Pool'09の出場メンバー発表、そしてマスターズの続報が楽しみです。
大会日程
2009年7月: